となりの電話 山木康世 オフィシャルサイト

月は輝いていた

2009年10月19日 | カテゴリー: ミュージック・コラム 

目を閉じると何も見えず、ではない真冬の青白い月がかかった湖が見える。そこから物語の舞台を展開した。
電車を走らせよう。本当はモクモクと煙を吐いて走る汽車が良い。今では観光用とかでしか走っていない汽車。湖の傍を汽車が客の夢と明日を乗せて走っている。灯りが見えてきた、懐かしい町だ。私が若い頃住んだ町だ。
みんなそれぞれの空の下、自分の人生を歩んでいる。一回きりしかない今日の日を積み重ねて日々変わって行く。自分のことなのに一番分からないのが自分だったりする。鏡を見ても顔かたちは見えるけど、心の中まで見えてこない。見えてきても青空の雲のように刻一刻と変わる私の心。さっきまでの心はどこに行ったのだろう。そんな人々が何億人も住む地球の住人の一人である私。もしかしたら時間というものなんてないのかも知れない。あるのは変化のみ。細胞の単純な変化のみ。去年や10年前という時間の概念は人間が勝手に創ったものかもしれない。同一上に並んですぐ隣に昨日があるのかも知れない。動物はそんなこと考えもしないで、腹を満たすことが生きるすべて。
殺されないように周りに注意を払って食い物を探すのみ。食い物が細胞の変化をもたらす。極限になれば自分の子供を食ってしまう親もいるらしい。それほどまでして生きようとする本能でのみ生きる動物たち。我々も含めてだ。近頃の親が子供を殺す事件、子供が親を殺す事件、おぞましいが昔より動物的になっているのかも知れない。
自分を生かしてくれるのは本当に他人であると確信するに至った山木である。

「月は輝いていた」
A#   D#  A#   D#Gm    D7 D#    F7
ただ一面氷の 真冬の湖に 青白い光の月が 輝いていた
A#    Gm D#maj7   D7  D#  A#   Gm   F7
眠りについた町 思い出の眠る町 二人は若かった 身体も心も
 D# A# D# A#   D# A#   D#    A#
らららららららら   あの日の夜空にも月は輝いていた

冷たい木枯らしが 山から吹き降ろす 湖の光が 部屋からよく見えた
生き生きと生きた日 泣きながら別れた日 ホームにたたずむは うら若き二人
らららららららら   あの日の夜空にも月は輝いていた

身勝手な自分に目を閉じてごまかし ときに急行電車を やりすごし見送った
若さゆえけんかして 傷つき泣いた振りして すぐに仲直り 愛し合った夜
らららららららら   あの日の夜空にも月は輝いていた

夜の急行電車は スピードを落さずに 町を遠ざかって 通り過ぎて
思い出の町の住所 山と湖の町 二人の夜空にも 月は輝いていた
らららららららら   あの日の夜空にも月は輝いていた

※ またまた#オンパレードだね。でも簡単なんだよ。ここはGで3カポで行きましょう。
A#→G D#→C Gm→Em D7→B7 F7→D7 D#maj7→Cmaj7 
Cm→Am 
#、♭に惑わされ、だまされるな。