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ダムに沈んだ町

2009年10月21日 | カテゴリー: ミュージック・コラム 

中学の頃、我が家にアパート住まいをしていた人に連れられて札幌の郊外、豊平峡に行ったことがある。豊平川の上流に当たる豊平峡は数年でダムの底に沈むという。岩に腰掛けておにぎりを頬張り、遙か頭上の岩肌に書かれたペンキの白文字を見ていた。ここが水の底になるのか、あそこが水面か。何とも複雑な気持ちだった。ここを塞ぐダムの巨大さを想像して大人はなんと言うことをするんだろうと感心した。水の力で壊れないのかなぁ。どれほどの量のコンクリートで固めるのだろう。この岩も、木も、みんなみんな水の底と言うことか。
今、ダムの是非が問われている。昔のダムには泥が想像以上にたまって使い物にならなくなるという話を聞いた。事の真相はいかに。
ドブロがCDでは良い感じを出していると思っている。音にならない弦とスライドバーのこすれる金属音が効果的に聞こえてくる。風の音は楽器で創り出された音である。

「ダムに沈んだ町」

Bm            D         Bm
風が吹くのを止めた町 立ち尽くす電信柱
D     Bm   A         Bm
畑や道路も家々も 水の底に沈む町
Bm             D          Bm
最後の暮らしを打ち切って 火の始末戸締りをして
D         Bm    A          Bm
住み慣れた家から土地から 深い谷底の町から
 Gmaj7   D  Gmaj7  DF#7
 ダムに沈んだ町 深く水の底に
 Bm    E Gmaj7    Bm
 沈黙と暗闇が 冷たく広がる町
Gmaj7   Bm Gmaj7   Bm 
ウーウーウーウー

地図の上から消えた町 習慣や古い伝統
祭の笛や太鼓の音も 泡のように消えた町
 ダムに沈んだ町  深く水の底に
 沈黙と暗闇が 冷たく広がる町
 町が沈んだ夜 黒い烏が
 高い木の上で いつまでも鳴いていた
 人が人のために 自分の生活や
 自分の故郷を 犠牲にできるだろか
ウーウーウーウー