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田端スタジオアンダンティーノ元気でやれよ!

2025年07月04日 | カテゴリー: 山木康世 

巡る季節は随分と早いモノがある。うなぎも安くはなるというニュースを聞いてから久しいが、一向に安くならない。なんでも養殖に成功したのでスタミナ補給にはもってこいの魚であるのに、期待に反して相変わらず高価なうなぎである。そのうなぎが今度は手に入らなくなり、アメリカ当たりのトランプの切り札になりそうとの憶測も聞かれる。
会場の直ぐ横の駐車場は使いやすくなった。金額も手頃で田端への道は遠くなく気が楽である。
坂の途中にある庭先からネコヤナギが見えていたっけ。しかしこれは穂先が猫の尻尾のように見えただけで、実際はハクモクレンを見誤ったものだった。半年くらいも前の話だ。その庭先も真緑で、あのとき話題になったハクモクレンの木も何所にあるか分からないほど濃い緑の季節になった。
駐車場は心配の程もなく、直ぐに駐車が出来た。文士たちの町と呼ばれる田端の駅前には文士館があって、田端は精神学上自分好みの町である。まんだらけを擁する我が中野の町より好感の持てるところである。コスプレ、アニメの聖地になってしまって外人さんも漫画のキャラでアーケード街を歩いている姿を見るに付け面白いがもう少し落ち着いた中野の町を望んだりもしている、
今日の推しは「ヒーイズフィッシャーマン」今までの元気な松太郎さんを郷愁の姿に変えてみた。確かにニシンの釣り人であったが、正確にはフィッシャーマンズボス、訳すと網元ということになる。前日に急遽変えて制作してみた。淡々と栄華の時代を振り返るわけであるが、まさに諸行無常の世界、おごる平家の興亡はいつの世も同じ、人間の世界は儚さを秘めているのでロマンそこはかとないのである。あの世には持って行けないお金、名誉、権威など何かと争いの種に成りかねないエネルギーは確かに生きる張りを与えてくれる。生きる夢を見させてくれる。生きる目標を教えてくれる。しかし人間の生は有限である。神様は時間を悠長に与えてくれない。兄弟、姉妹、家族に災いを与えかねないモノに振り回されない冷静さも必要である。仲良しは良い言葉。お金という代物を考えついた古代の人間がいる。
新宿から中野の町へ行く道の途中に企業のビルがある。その玄関先に石で作られた1メートルもあるような大きなお金のオブジェが飾ってある。レプリカであるが、本物を使っていた人間たちは、こんな持ち運びも困難なモノを、どんな目的で使っていたのだろう。
松太郎さんは最後に人生はゲーム、ギャンブルの奥義を残して去って行く。武士のような威厳に満ちた一枚の写真は僕に語りかけてくる。元気でやれよ!