桐生デイサービスこらしょで「風に吹かれてMinstrel」
2024年08月05日 | カテゴリー: 山木康世
「風に吹かれてMinstrel」という歌がある。
「ふきのとう」解散後、ソロになってすぐに作った歌である。
Minstrelとは吟遊詩人。中世のヨーロッパで諸国を巡り歩いて歌を作った、今で言うシンガーソング&ライター。この旅の資金源となる王様のもとへ戻って歌を披露する職業人。面白い人たちがいたものである。王様は本当は自分が旅をしたいのだが、そうもいかない身体、そこで代役を詩人に思いを託し頼む訳であるのか。ギターのご先祖様のような楽器をペンペンとかき鳴らして詩人は諸国を見て歩き歌を作って戻って来る。
日本でも琵琶法師のようなシンガーソング&ライターはいたのであるね。ただし法師は作詞はしないで過去の歴史物などを紐解きベンベンと唸っていたものか。東西で似ている職業歌人がいたのではある。
そうなれば吾も昭和、平成のMinstrelでありたいと願ってこの歌を作った。「風に吹かれて」はご存じアメリカのフォークの大明神の代表曲。初めて聞いたときはへんてこりんな歌声だな、上手いのか下手なのか。でも淡々と語る歌に引き込まれた。他にはいない世界に静かに心震え燃え惹かれていった。
大明神はノーベル文学賞にまで上り詰めた。しかしデビュー曲で代表作でもあるこの歌をおなじ歌いっぷりをしてこなかった。コンサートで耳をそばだてるのだが、片鱗すら理解するのは難しい大明神。良いのだよ、神様は人間ではないのだからと帰り道納得。
こらしょで「風に吹かれてMinstrel」の新しい試みをした。この歌のキモはサビである。ここのメロディは外せない。前半部分をアドリブで作曲した。二度と聞けないLIVEの醍醐味、何があるか解らない。ハモニカをくわえた脳みそはフル回転。最初で最期の即興メロディはこらしょの部屋の隅々に消えて行った。自分で歌っているのに不可解なメロディが脳内を駆け巡る。
Keyを間違えてウクレレを弾き始めただけの話だったのですが、ピンチをチャンスに変えた見事な50年音楽人生の結実。
こらしょ10年を猛暑の中お祝いできて幸福だった。こらしょの皆さんとそこで通常ケアを受けている皆さんがボードに作ってくれた花のようなお祝いの文字、ありがとうございました。お客様からは花もいただきました。ここには音楽療法士が出入りしているそうだ。
音楽は身体を正常に戻してくれて人に優しい心を育んでくれる。楽器のある人生は潤いのある毎日ということになる。
病は気から=ヤマキとなるとよっこらしょ。またお会いしましょう。
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