となりの電話 山木康世 オフィシャルサイト

月天心貧しき町を通りけり

2009年10月19日 | カテゴリー: ミュージック・コラム 

この歌はきちんと製作年月日が書かれている。1993/4/22。ということは解散して1年ほどの43歳の年と言うことになる。与謝蕪村からタイトルはいただいた。オープンコードを覚えたての頃で、第二のギター加熱時代だった。
その昔東京で部屋には電話はなくて公衆電話にかけに行っていた頃がある。10円玉をたくさん用意して故郷の家族や友人にかけたもんだ。その横にうどんの自動販売機があった。100円を入れると器用に白い器とうどん玉が降りてきて、熱いお湯を注ぐ。帰り道ちょうど3分くらいでうどんが食えるという寸法だった。東京の冬は寒かった。一杯のかけ蕎麦ならぬ一杯の自販機うどんがどれほど慰めてくれたことか。耳元にはまだ故郷の声が残ってささやいている。あー早く仕事にかこつけて帰りたい。冷たい風だけの冬は好きになれないよ。月が煌々と輝いていた。江戸時代にはもっと月は夜道を照らしていたことだろう。月下をいそいそと蕪村が歩いて行く姿が見えてくる。
危惧していることがある。今のアベックは両者の写真を撮り合って保存しているはずだ。良い時は良い。しかしことはうまくいくとは限らない。二人の関係が終わりになった時、画像や映像や音声はどうするのだろうか。思い切って捨てることが出来るのだろうか。特に男は未練がましいからなぁ。想像しただけでゾッとする也。僕には全く持って苦手の時代也。しかし前に行くには全消去すべし。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

「月天心貧しき町を通りけり」
  D    F#7 Bm      D69
帰りたくなったよ 会いたくなったよ
G Gm  D   B7 E     A7 
優しい声を聞いたら 思いがつのって
   D    F#7Bm      D69
すぐそこに君の声 受話器の向こうから 
G Gm   D   B7 E A7     D
寒さにかじかんだ声で 雪が降っているよと 
 E   G  D A7
 もう少しの 辛抱さ
 E G    D    G    D
 幸せは この冬の向こうで待ってる

孤独に寒さに 負けてなるもんか 
同じ空の下に君も 生きてるのだから
 もう少しの 辛抱さ
 幸せは この冬の向こうで待ってる

12月夜更けの 貧しき町並みを  
月明りに照らされて 冬を抱き締める
  冬を抱き締める 冬を抱き締める

※D69はD7でも良い。以上がんばりたもれ。