江古田マーキー御礼
2021年08月08日 | カテゴリー: 山木康世
階段を降りると昨夜までいなかったセミが2匹腹を向けて横たわり固まっている。1匹はよくあることなのだが2匹が相次いでいることは珍しい。桜の木の下に丸い小さな黒い穴が例年になく早く開いていた。今年は早いな、と思っていたら急に合唱が始まった。1週間ほど前の焼けつくような早朝だった。
広島と長崎に原爆が落とされた8月の夏は人類が永遠に忘れてはいけない歴史である。人間は優れた動物であるとともに、実に愚かな馬鹿げたエゴの塊の動物である。自分たちを破滅に導くようなモノを一部の優秀な科学者、物理学者たちが日夜励んだ結果がこれである。
「ENOLA GAY」がリトルボーイを広島まで運んで落とした張本人である。B29の機長の母親の名前が「ENOLA GAY」であると知った。アメリカ人は洒落がきつい。戦争にまでジョークを忘れない。機長は軍の命令で落とすしかなかったのか。その結果が招く惨状を想像しなかったのか。涼しい顔でテニアン飛行場へ戻っていったのか。たった一人の人間の指令で何十万人の未来が奪われた。「ENOLA」を逆から読んで背筋が寒くなった。「ALONE」である。機長が生まれてこなかったら広島はなかった。
そんな発見のあった翌日のマーキー。読み飛ばしを平気でするトップの人間の恐るべきノータリンの国と世界の国は評価している。実に悲しいコロナの夏の日本。オリンピックの金の数よりも大事なことを、せめて年に一度家族で話す大事な8月の我が国であると階段のセミが語りかけてきた。
明日は大事な2曲、懸命に歌います。声が届かないことは本当にもどかしく無常であると感じ入るマーキーの夕刻だった。
お忙しい中、皆様誠にありがとうございました。内藤様にも熱い御礼をいたします。
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