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北海道釧路市Acoustic café HOBO ~秋風月 夏の終わりの YAMAKINGSONGS~少し秋模様の風に吹かれてみよう

2025年08月25日 | カテゴリー: 山木康世 

生まれて初めて根室に来た日をハッキリ覚えていてる。
ふきのとうとしてデビューして、その後のいつの日なのであるあるが、何月何日とまでハッキリしてはいない。ただ着く前に根室は北海道東の最果ての街で、カニの産地である。知り合いはいないが、もしかして誰かお客さんのカニの差し入れでもあるかもしれないなと微かな希望を勝手に持ったりして根室入りした。
当時は会場に着いてリハをして本番を終えて宿にチェックイン、打ち上げに臨みホテルに戻って翌日に備える。そんな日々の繰り返して、空いた時間を見つけて名所などを尋ねるという余裕もないほど移動移動の連日であった。
しかし根室の日の楽屋に見ず知らずの男性が段ボールを抱えて入ってきて「花咲ガニですが良かったら食べてください」と置いていった。予感どおりのお土産で小躍りしたものである。
根室の街は来週行われるという「カニ祭り」の準備で忙しそうだった。釧路の前の日、100キロ以上を飛ばしてカニを食うために根室に向かった。今回は験を担いで食いに来た。花咲はハナサキ、ハナさんサクさんのお祖母さんたちの呼ばれるところの花咲ガニと良い方に解釈しての根室であった。それにしても何という奇遇であろうか。天上より笑いながら二人してエールを飛ばしていることだろう。「頑張んなさいよ今日は釧路でしょ!」
また昨日に続き一本道を引き返してきた。釧路は年に4割霧の立ち込める街とその昔誰かに教わったが今日は大丈夫晴れている。その上過ごしやすい20℃という涼しいくらいの釧路。
前回HOBOのライブ中に場内が激しく揺れた。ライブ中に生涯これほどの揺れに出会った試しがないほどの揺れであった。一時中断、外に出るかどうか迷ったほど揺れた。しかしその後は収まり何とか終えたことが蘇る。あれからみんな年を少し取っての再会である。花咲ガニのパワーで今回はつつがなく気持ちも新たに2時間超えの懐かし希望の再始動的Acoustic café HOBO~秋風月 夏の終わりの YAMAKINGSONGS~
今日は客席の皆様のお顔がよく見えてまるで知人にでも話しかけるようなライブが出来て良かった。借りてきたカニ、いやネコのようなライブではなかった。ギタークラブの皆さんによる「白い冬」にもパワーを頂いた。みんな長い時間かかってここまで来たねぇ、ありがとうという感じを強く抱いてのHOBOだった。
我が故郷の道東を伺ったのは中学の修学旅行が初めてだった。札幌のある西部とは違って湖と森の神秘の東部は空気が違う、歴史が違う、ロマンが違う、ロシアに近い分異国の風が吹いているような気分にもなる。沖縄にいるときの気分にも似ているか。日本は広い国なのである。決して細長い小さな島国ではない。紛争の耐えない現代に日本の役割を世界の人達は待っている。外交による平和な世界の訪れを期待している。
今年のサンマは10年来の大きさだ、豊漁だと明るく塩梅の良いニュースが聞こえてきての旅である。油騒動、米騒動、戦争、紛争で揺れる2025年であったが景気の良い晴のニュースの到来を祈って願っての旅は続く続く。
この記事を書きながら右手の親指の爪の隙間を嗅いでみたら、少し朝のカニの匂いが残っていた。

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