となりの電話 山木康世 オフィシャルサイト

愛媛県松山市スタジオOWLにフクロウが降りてきた夜

2025年09月27日 | カテゴリー: 山木康世 

松山は雨も上がって穏やかな良い日和だった。少し汗ばむほどの秋の日、夏目先生の頃の松山に思いを馳せる。東京から赴任して数々の名作を生んだ我が国の巨匠。
正岡子規との出会いが素晴らしかったのか。門下生に芥川龍之介、寺田寅彦らがいて矢張り我が国の巨人だったわけである。
今夜の音響は素晴らしく我を集中させてくれた。近頃小規模自前音響の音場に慣れてしまったのか、場にそぐわないリッチで緻密なモニター音響が少々鼻につき集中力が持てなくなり、自然YAMAKINGSONGSが平坦になり長い2時間となる。しかし今日の2時間は我ながらあっという間だった。
エレボの良質なスピーカーが2台天井の隅に配置されていた。通常は転がしと言ってステージの上、演者の足元に配置されることの多いモニタースピーカー。正直デジタルな音が良すぎると、そちらの音が気になり退屈になり肝心な歌の内容が薄っぺらくなったりする。一番はやはりギター一本なので演者の周りを包み込むように自然に聞こえてくると豚は木に登ったりする。この音の他に場内からの返し、響きも重要なのである。
心が奏でて人の心に届く。説明のつかない音楽のシャワーを浴びて、いわゆる癒やしの心が生まれて口元が自然ほころび、目元が潤んで、さっきまでのスマホの見過ぎの眉間のシワがいっとき消える。笑うからおかしいのか、はたまたおかしいから笑うのか。鏡を見て笑ってごらん。脳みそが緩んで少し気持ちが軽くなるよ。不思議だな。
高齢者にシワ隠しやシミ隠しにと美容会社は躍起である。しかしそれよりも肝心なのは心の朗らかさ。気持ちの若々しさ。頬が重力でたるんで妙に近頃下降してきた。こんな人は口元を少し持ち上げるだけで気が軽くなる。お試しあれ。
アンコールふきのとうここにありの3曲。正しく歌わせていただきました。やはり日本中に響き渡った美しく良い歌曲で力があるなと実感した。すべて20代の頃の作である。
皆様と共に過ごしてきた長い時間、そして今の時間、まさに時の魔法にかかったOWLの時間は重要、かつ良質、良好な大人の夜のひと時だった。ちなみにOWLにはフクロウの他に夜ふかし(する人)の意味もあるそう。それともったいぶった人ともある。これは一寸遠慮しとくわ。

リハーサル中

スポットライト1本に浮かび上がるYAMAKING

コメントする