となりの電話 山木康世 オフィシャルサイト

きるなのねかねのなるき(切るなの根金のなる木) その1

2010年03月18日 | カテゴリー: ミュージック・コラム 

金を手に入れたらなかなか使おうとしない輩がいる。
支払いを引き延ばす輩もいる。引き延ばすだけなら良いが払わないでのうのうと生き延びる輩もいる。
金は元来一つの基準しか持ってはおらず、少なければ希少価値があり、多ければ価値は下がってくる。
持つ人、いろんな程度の金持ち、いろんな程度の金のない人の規準で変わってくるというカメレオン的性格のもの。カメレオンは体の色を変えるだけでなく、左右の目が別々のものを見られるという。人間も実際には体の色を変えないが、化粧など施し擬似で洋服の柄、色を変えて毎日出かけてゆくので立派なカメレオンだ。
左右の目は別、別のものどころか周りのものを一瞬にして判別、見ている。が見たいものを本当に見ているかどうかは疑問だ。

総じて金持ちは金を使わない。ケチである。吝嗇(りんしょく)家が多い。逆説的にそれだから金が貯まるのか。
手元に置いていても増えるわけでも減りもしない。自分の手元を離れて旅して回った結果増えたり減ったりするから、金は生き物だ。七変化心模様。
いまどきの銀行は安全だと思って預けてもスズメの涙しか増やしてはくれず、手数料はむんずと持ってゆく。銀行は3時になると音を立ててシャッター下ろす。昔ながらの残務整理に追われているのか。1円が合うまで帰宅できないというのは本当の話か。人間は休養と栄養を取らなければダウンしてしまうので土曜と日曜はお休みします。その点機械は24時間フル活動、年中無休。かと思いきやきっちり夜は、連休は休ませていただきますときたもんだ。一番金が必要なときなぜか機械は休養を取っている。

ITバブルの時代、六本木に居を構える30代の富豪たちがゴロゴロいるという。
パソコンの画面を日がな一日ひたすら眺めつつ、数字に追われて一喜一憂。一夜明ければ大金持ち。その逆も大いにあり得る。
大都会の遥か向こう、富士山に沈む夕日を眺望、しばし一杯のコーヒーを手に何思う。
俺は本当に周りから敬愛されているだろうか? 今日の儲け分は明日はどうなっているだろうかと考えていたら電話が鳴った。下の階に住むIT同業者からの誘いだ。
「いつもの専用バーでキューっと一杯やっかー?」山形弁訛りの御年80歳のお祖母ちゃんからの電話だ。
<以下、明日に続く・・・・>

(山木康世)