三人寄れば門者の千枝
2010年04月20日 | カテゴリー: ミュージック・コラム
恐るべし中国パワーである。
著作権何のそのマリ、ディズニーランド、キティちゃん、SONY、UNIQLO、遊んじゃえ、儲けちゃえ。良いものの真似をして何が悪いのよ、中国人は世界の4人に一人なのよ。4人に一人が良いと言えば問題はないことになっちゃうの。
……てなわけでハチャメチャである。整備されていない道路を皆がそれぞれに自由に、我が物顔で往ったり来たりの混雑状態。しかし彼らは衝突もしないし、事故もあまりないようだ。何も問題ないようである。それなりに秩序が保たれていれば、問題なしということだ。しかしそこに他国の人が迷い込んだら、それこそ混乱の極みであろう。
かつて日本ではオリンピックを目前に、「マナーを向上しよう」と、小学生でも分かるような公共マナーを、国を挙げて是正し教えていたことを思い出す。
順番を守らない、痰は吐く、ゴミは勝手に捨てる、などなどが恐るべしマナー違反の例である。
でもよく考えたら非常に動物、天然っぽいとも言えなくない。「隣の人に無断でちょっと借りて何が悪いのよ」という些細なことでも、目くじらたてて、挙げ句の果て裁判沙汰までにするのが近頃の風潮。しかし、あとから「ごめんごめん留守だったので借りてしまったよ。あとから返すつもりだったので、勘弁してくださいね」。まぁこんなことで収まる問題ならこれでも良い。
本来は盗作騒ぎを防ぐために著作権を守る協会ができて、そこにお金が絡む。そして使われた分だけ作者に支払われ権利を守る。考えてみれば日本だって1939年前までは音楽の作詞・作曲はフリー著作権、野放し状態だったわけだ。
いま、使用料は想像以上に高いのが現実だ。作者には使用料のお裾分けが来る。自分でコンサートを開いて、使用料を払って後に戻ってくる。なんだか税金の還付金のような気分でもある。
”御殿”のような著作権の某協会は以前派閥争いが起こったことがある。いったい誰の金で諍いを起こしているの、と言いたくなった。
世紀の万博が開催される。そこで起こったテーマ曲盗作騒動。作者に連絡が入ったそうだ。
「あなたのメロディを貸してください。きちんとお支払いしますから」。
歌の作者は100パーセントの名誉と、プラスαでOKとする。そんなモンでも良いのだと思った。お金では買えない名誉のために人が動くことはいくらでもある。しかし現代ではほとんどお金がついて回ってくるという事実もある。名誉も自尊心もなにもなく、ただお金が目的の人よりもかわいくて憎めない、ってか。
中国のことわざに
◆三人行けばわが師あり
三人旅をすれば、その中に必ず自分の先生がいる。人生も、相手の意見を受け入れて周りの人に学ぶべきであり、人の善を見て手本とし、人の悪を見て改められるので、人の善も悪も自分の先生である。
[現代用語の基礎知識より]
もしかしたら彼らはこのことわざを拡大解釈しておおらかに生きているのかもしれないと思った。
日本には「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがある。そこで融合してみたのが「三人寄れば門者の千枝」と言ってみた。
てなことを言ってくるけど、完全に裏を読まれて仕組まれたからくりに飲まれているのかもしれない私めでございます。
(山木康世)