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横須賀苺畑後始末記

2010年04月30日 | カテゴリー: ミュージック・コラム 

1975年11月11日(火)横須賀文化会館、ふきのとう公演以来で実に35年ぶり、ソロ初めての横須賀ライブ。ふきのとうでも一回切りである。しかし、去年の6月、横浜ライブから茅ヶ崎へ移動の際、戦艦三笠を見学しに横須賀に立ち寄っている。
三笠は明治時代の立役者である。日露戦争では強敵ロシア艦隊を打ち破った連合艦隊の旗艦である。東郷提督が乗り込んでまさかのロシアをアジアの小国が撃破したのだ。世界中が驚きの拍手だったそうだ。
横須賀と言えばアメリカの海軍基地と「ミナトのヨーコ ヨコハマ ヨコスカー」のイメージが強すぎた。

そして三笠を見て歌を作った。

三浦半島波高し

昭和の良き日を思い出す 吹く風も穏やか日は優し
明治は遠くなりにけり 時間も精神も空の果て

どっこい港 横須賀は 観音崎にたたずんで
浦賀水道ながむれば 微かに血潮が騒ぎ立つ

祖国の存亡岐路に立ち カイゼル髭をピンと立て
軍服姿に身を包み 迎え撃つなり日本海

打ちてしやまんバルチック 祖国日本は救われた
列強しのぎを削る中 生き延び東郷ヒットエンドラン 

それから何度か戦争が 国を挙げての総力戦
戦に破れた我が国は 一から出直し昭和20年

時は流れて平成の世 百年後三笠は陸にいた
血が騒ぎ泣けてきた港横須賀 三浦半島波高し

ストロベリーフィールズは横須賀の小高い丘の上、アメリカの片田舎の喫茶店にフラッと立ち寄ったようなお店でコーヒーがうまい。店内にはギターがあちこちに置かれて、おまけにロフトには天体望遠鏡まで置いてある。パパ&ママはジェームス・テイラーがお気に入りで何も話さなくても悪い方向へ行くはずがない。

「昭和の日」の午後、「苺畑」に差し込む西日は徐々に長い影を店内に落としていった。
優しい心の持ち寄りはやはり幸せの基本構図である。
みなさーん、お忙しい中、遠路はるばるありがとー、ありがとー。
(山木康世)