となりの電話 山木康世 オフィシャルサイト

あーもったいないったらありゃしない

2010年07月28日 | カテゴリー: ミュージック・コラム 

尾崎と中田

尾崎行雄は僕が12歳のころに大活躍した東映フライヤーズの大投手だ。高校を2年で中退、すぐにプロ野球で20勝、新人賞。怪童と呼ばれて、子供ながらにピッチングフォームを良く覚えている。多少前のめりで投げ出されたストレートは、打者をキリキリ舞い、バットは空をきる。ビデオから計測した推測速球は159キロという。こんな選手が日本の高度経済成長期を精神的に支え応援していたと思う。世界の日本になるために世の大人たちはなりふり構わず、働き蜂の如く働きに働いたものと想像する。つかの間に見るテレビからは尾崎の剛速球が。スカッとしたに違いない。カーブやシンカーなどの変化球ではなく、直球勝負がビールをうまくしたものと思う。

片や平成22年の札幌、日本ハムファイターズ、中田 翔が弾丸2号をかっ飛ばしたと記事にあった。中田は高校野球から3年前に入団したと思う。しかしすぐにベンチ入りはさせてもらえず、2軍でフォーム矯正、プロとしての準備を余儀なくさせられた。中田が高校生のころから、良い選手が出てきた、すぐにプロで大活躍すると期待していた。それを外野席があーだこーだと3年も教唆した。確かに良くなったのだろう。しかし僕が見たかったのは平成の尾崎行雄なのであった。どうプロで通じるか計り知れない天才のバットを見たかったのだ。失敗してもやり直しが利く。それを凡才の監督やらコーチが玉を磨こうと躍起になって失敗した。僕にはそう見える。本当に見たかった、プロのピッチャーを手玉に取る18歳の天才バッターを。今からでも遅くはないが、旬という言葉からは大幅に遠ざかってしまった。

野球ファンは何も手堅いチーム成績だけが目当てではなく、ハプニング、面白さも大いに期待している。
ガンバレ中田 翔、CM出まくりの石川某なんかに負けるな。       
(山木康世)