となりの電話 山木康世 オフィシャルサイト

風に吹かれてMinstrel

2009年10月30日 | カテゴリー: ミュージック・コラム 

1999年11月「ようこそ春の日日高路」電車ライブを行った。その5年前に北海道中央、南の日高海岸線をイメージしてこの歌を作った。
旅人が一人何かを忘れたいように旅を続ける。その先には岬が待っている。「何もない春」と歌われた名勝「襟裳岬」である。
旅人はなんて強い風なんだ、目も開けていられない、ここを終の棲家と決めて旅を終えよう。と思ったか、それともなんという猛々しい風なんだ。気落ちしていた私を奮い起こしてくれる。もう一度踵を返して更なる旅を続けよう。
物は考えよう。今まで向かい風だった風が踵を返すだけで追い風になった。旅人は颯爽と走るように岬を後にした。か、さぁどちらだろう。
「そんなに急いだって強い風が待っているだけ、まぁ少し休んで行きなされ。ほれ、お饅頭でも食べて休んで行きなされ」
おばあさんのくれた「ロマン」という名のお饅頭をほおばると、今まで急ぎすぎて忘れていた何かが口いっぱいに広がり涙が止めどもなく流れた。
利便、合理化という名の下に全国各地地名の見直し、合併が行われ、古くからの地名が消えてしまった。わけのわからないひらがなの地名が増えた。経済性だけで人を押しのけて生きてゆくには世の中は世知辛すぎる。たまには大粒の涙を流して、他人と共にしたい。心の寄り添いを感じて人が生きる意味を考えてみたい。

心は軽快にシャッフル、口笛を吹いて手拍子でも打ちながら旅を続けよう。

「風に吹かれてMinstrel」

Am      Dm7  G7       Cmaj7
どこか遠くの町へ 海の見える風の町へ
E7        Am     F  Dm7   E7     
足のむくまま気のむくままに 旅人になろう
Am      Dm7   G7        Cmaj7 
風に吹かれてMinstrel 終点のないひとり旅に
E7         Am   F  Dm7 E7  Am
かばん一つ手にぶら下げて 電車に揺られて
Am         Dm   G     E7
春のホームに降り立って 夏の改札口を出て
Am         Dm  G   E7    Am
秋の枯れ葉に身を任せ 冬に手紙を書こう君に

誰もいない海岸で 古ぼけた一枚の地図
胸のポケットから取り出して 道に広げてみた
心にぽっかり空いている 過去をつれづれに思い出せば
満たされぬままの月日だけが 手を振っていたよ
春のホームに降り立って 夏の改札口を出て
秋の枯れ葉に身を任せ 冬に手紙を書こう君に
春のホームに降り立って 夏の改札口を出て
秋の枯れ葉に身を任せ 冬に手紙を書こう君に