田端アンダンティーノを終えて
2024年06月14日 | カテゴリー: 山木康世
この日の忘れ物は筆舌に尽くしがたいほど多かった。
理由はわかっている。事務所で録音の日々、ライブの間隙を縫って、ある目的の下レコーディングしている。その際いつも現場で使用しているハモニカ、カポタスト、コード類を忘れてきたものだった。
昨夜まで忘れないように眼の前に揃えておいたのにこの無様。階段を降りる。大丈夫だ、肩にかかる3個のバックを確かめつつ自分に言い聞かせるように階段を降りる。
開演時間が1時間ほど遅かったのが功を奏した。
スタッフEさんの快い申し出に甘えた。本来は近隣の池袋の街に買いに行ってもらおうと考えた。しかしなんと山手線が不幸にも人身事故で不通、急遽御茶ノ水へ探しに行ってくれたのである。マイクコードが5メートルと少々長かったが電気は十分伝わる。のぞみの黒いカポタストも急いで走って買ってきてくれた。
ハーモニカはこの日なかったが、ことなきを得て梅雨の手前の田端の街に青空が広がっていた。
ハーモニカの分、口笛で対応した2時間はある種新鮮であった。お客様には十分の説明がなく申し訳なかった「うやむや」
数学や物理の公式のように世の中は流れていない。むしろ曖昧色満開に染まっている。うやむやな態度は単純に見れば優柔不断、しかし見方を変えれば遠慮深謀。
何事も素早く対応したいものだが、早まって諍いを起こすよりはマシである。現代においての近代兵器の戦争、行く末は核兵器も辞さないという頭の硬いオエライサンに戦争の意味合いを問いただしたい。何よりも平和、健康であってこそ共存共栄のもと美しい水の惑星の変わらぬ姿なのであるから。
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