となりの電話 山木康世 オフィシャルサイト

各地の元気な麺野郎異種格闘戦

2010年02月18日 | カテゴリー: ミュージック・コラム 

■冷やしラーメン
 夏の暑い山形は盆地なので特に暑い。そんな暑さを取り払おうと噂のラーメン屋へ。このラーメンは山形発祥で中になんとキャラメル大の氷の固まりが入っている。熱さも味の大事な要素と思っている筆者には行列を作って入るほど人気のラーメンという訳が未だに分からないラーメンの一つ。やはりラーメンは鼻水を垂らしながら、釜の中からわき上がる蒸気が、冷えた店内にムンムンの中、食するのが良い。火の玉が燃え盛るような真夏でも同じである。熱くて一息で飲めないスープがラーメンのラーメンである所以とも思っている。

■カレーラーメン
 室蘭で食した。このラーメンは納得できる。すでにカップ麺で食しているのでそれほど意外性はなかったが、これで町興しをしていると聞いたので応援もしたくなった。白い衣服を着て食べに行かないことだ。店を出る頃には変種のテントウムシ状態になって出ること間違いなし。トロトロ状態のカレーは中に熱を閉じこめるので、スープはかなり熱い。口内炎を患っている方も食いに行かないことだ。口内が火災状態になるだろう。文字のごとく口内炎だ。

■塩焼きそば
 北見で食した。ホテルのランチだったので、これが噂のおいしい塩味焼きそばなのかどうかは分からない。もう少しうまいのがどこかの店にあったのかもしれない。北海道の見事な白銀のような色をしていて、本来の焼きそばの♪行ってみたいなジャマイカ♪のコーヒー色を想像していたのでは興ざめである。何事も色眼鏡なし、先入観なしで見る目が、味わう味が大事である。人はついつい自分の価値観で物事を断定しがちである。判断ならまだ救われるが、断定まで行くと裸の王様になる可能性が高い。味の方は北海道人特有の淡泊な、それでいてしぶとい誰にでも嫌われない味かもしれない。

■つゆ焼きそば
 青森県の黒石で雪の中、石油ストーブに当たりながら食した。なんと調理に45分もかけたもんだから中に何が入っているのか分からないほどてんこ盛り、濃厚な焼きそばだ。いくらつゆと言ってもここまで入れなくても良いんでないかいと言いたいくらいつゆだくだ。坊主頭のご主人は実に口が立つ。面白くて待っていても時間が気にならないほどだった。これが手なのかもしれない。靴を脱いでどこにでもあるような一室で待つこと45分、しびれを切らした連れの一人が「取りにうかがいましょうか?」「良いって、落としてこぼしたりしたら何もなんないべさ」食えど食えど中から増殖してくるのでは思えるほどの容量のでかい焼きそばだった。嫌いじゃないよ。
今後個性の強い麺野郎を見つけ次第、筆者は報告をする予定でおります。

◎周口難調ー中国のことわざ
「すべての人の口に合う料理を作るのは難しい」

(山木康世)