となりの電話 山木康世 オフィシャルサイト

ひとりの冬なら来るな

2009年10月15日 | カテゴリー: ミュージック・コラム 

レコーディング秘話。
1982年ソニー信濃町スタジオにてディレクターから「シングルにしては少々時間が長いようなので、4番ある詩を何とか3番にしてもらえないだろうか」と頼まれた。
故にレコードでは2番の歌詞がカットされた。今では考えられない話だが、当時はラジオなどで放送された場合、長い歌は途中でカットされるので、そこのところを配慮しての発言だったのだろう。泣き泣きカットした。
あれから20年、この歌は昔のままで出ています。しかし登録されている歌は3番で終わっている。
僕の足下に突っ立って僕を見上げている子供のような感じの歌だ。
「僕の本当の姿はどちらなの?」
「大丈夫、おまえはしっかり4番まであるんだよ。僕がこの世に送り出した歌なんだから、僕の言葉が本当なんだよ。今では2番がなければ本当の姿だとは言えないよ。世の中には、変な憶測でもの申す御仁がおられるが自信を持って行こうね。」
あの当時関わった周りの人間との関わりが希薄である。中には鬼籍になった人も数人いる。青春時代、寝食を忘れて創り出した歌どもが、風に吹かれてフワリフワリと飛んでいかぬよう、しっかりと手元に引き寄せている。
僕の人生そのものである「歌作り」を支えてくれる家族、関係者、ファンの人には感謝してもしきれない。
これからもよろしくです。

「ひとりの冬なら来るな」

A#m    F#dim  F      A#m
涙がぽつんと落ちた あなたの写真に落ちた
F#     F#dim   F       A#m
にじんで見えなくなった 酔いつぶれた部屋で
F# G#  C# Fm D#mG#C#Fm F#G#C#  A#7 D#mC7   F7
思い出せば淋しい 恋の物語  すれ違いのままで 冬を向かえる
A#m     F#   G#         A#m
かなわぬ夢なら見るな わびしくなるから見るな
A#m      F#  G#      A#m
あなたを待つには遠い ひとりの夢なら見るな

水飲みトイレでヨロリ そのまま朝までゴロリ
何にも未練はないよ あなたを忘れるよ
恨んでどうになる 恋の物語 届かない心を 悔やんでみるよ
眠れぬ夜なら来るな わびしくなるから来るな
朝まで待つには長い ひとりの夜なら来るな

夜中にポツンと起きた 寒くて寒くて起きた
カーテン開けたら外は 雪がちらついてた
初雪みたいな 恋の物語 積もらないうちから 急ぎ溶けてく
積もらぬ雪なら降るな わびしくなるから降るな
愛しく待つには辛い ひとりの雪なら降るな

通りを悲しく過ぎる チャルメラ悲しく過ぎる
屋台に腰掛けラーメン あなたも好きだった
白い湯気にうつる 恋の物語 冷えた空の中に 淡く消えてく
淋しい冬なら来るな わびしくなるから来るな
春まで待つには寒い ひとりの冬なら来るな

※またまた#の続出ですので、苦手な人はカポタストを1フレットにセットして変換して弾いてみましょう。がんばれ、がんばれ!
A#m→Am F#dim→Fdim F→E F#→F G#→G C#→C Fm→Em A#7→A7 D#m→Dm C7→B7 F7→E7