東京四谷仏蘭西居酒屋ビストロサンク音始末記
2010年06月28日 | カテゴリー: ミュージック・コラム
葡萄酒の余韻が、まだ納豆の糸のように尾を引いて、気がついてみたら丸一日が過ぎておりました。美味かった、実に美味でありました。
「山木康世 Live mini Library 水無月」
~仏蘭西料理と葡萄酒と西洋六弦琴と~
東京は新宿通り皇居に向かいまして右手の四谷ど真ん中の地下1階に、少しノスタルジックなお店が「ビストロサンク」です。
小粋なお洒落なお店とはこういうお店を言うのですね。洒脱という言葉もピッタリしております。何も現代だから、世界の東京だからといって、最先端のけばけばしく飾りすぎ、受け狙いのまるでどこぞの芸を忘れた楽屋落ち話お笑い芸人の如き、どこぞの集団男性歌謡グループの如き、どこぞの年端もいかない集団女子グループの如きのお店など必要のない人も大勢いるのです。
じゃましないBGMの落ち着いた雰囲気でゴクリやる葡萄酒は最高の安らぎです。多少明かりの落とした店内に漂う「魂」という名の高尚なコミュニケーション。騒然とした落ち着きのない東京だからこそ、こんなお店が必要なのです。目に見えない迫り来る圧迫、締め切り、睡眠不足など現代人の抱える病を治すには、医者も医療も必要かもしれませんが、こんなお店がお茶の子さいさい、治してくれることだってあるのです。
そこへ素敵な西洋六弦琴の響きが声と共に流れますと、どうです覚醒の世界へとあなたを誘ったことでしょう。大変に贅沢な時間を過ごさせていただきました。同じ価値観を共有、捕獲しようという心優しい人たちと一緒に過ごせることは何物にも代えられない物があります。
みなさんmerci、healthy、お元気で、またお会いしましょう。
■去年のワイン
眠たくなったら 君のことを
思い出して 思い出して ベッドにもぐるよ
毛布を肩まで 風邪をひかないよう
夢で会いましょう 夢で会いましょう 夢で会いましょうか
明日は日曜 雨が降り出すと
テレビの夜のニュースで 言ってたから
どこにも出かけないで 本でも読んでる ラララ……….
君がくれたワイン 赤いワイン
冷蔵庫の奥に隠れて 忘れかけていた
明かりを消して ワイン飲んで
夢で会いましょう 夢で会いましょう 夢で会いましょうか
去年のワイン 飲みかけのワイン
夜景を見ながら ここのテーブルで
記憶のドアをノックして 訪ねてみる
ワインはほろ苦く 酸っぱくなって
便りも電話もなく 気が抜けてしまう ラララ……….
(山木康世)