高円寺演芸船音始末記
2010年08月03日 | カテゴリー: ミュージック・コラム
記録である。何がってかい、距離さ。
今までは事務所から一番近いのが江古田マーキーだったが、それも及ばない近さのライブハウス「ショウボート」でのライブであった。マーキーが近いとは思っていたが、「来たーっ」ていう感じである。事務所から歩いてでも行ける隣町の高円寺駅から徒歩5分というところに、開業17周年という老舗のライブハウス「ショウボート」であった。老舗というには多少若いか、今が一番脂の乗りきるときだなぁ、と思ったよ。
ショウボートといったらミシシッピ川を走っている演芸船とでも訳したら良いのか。内部は黒色の壁で昔風ライブハウス、良い感じの空間である。楽屋、防音も空調も完全、よく出演者のことを考えておるなぁ。
到着するとステージにはすでに手取り足取り、痒いところに手が届くというほど完璧なステージセットが整っており、何も言うことなし。実にスムーズな開演前の音合わせができた。
これで練馬区、杉並区のライブハウスに出没したわけであるが、我が中野区はまだである。あまり近いのもなんだなぁ、顔が知れ渡り遊びにも行けない、なんてことになったらことだし。
ここまでは昨夜本番前、楽屋でカキコした文章。以下はその後の文章。
アンコールで「めんどりぶるーす」を演奏した。イントロを演奏していてひらめいた。出来るだけ英訳して歌ってみようと急遽脳が指令をした。脳はいつ何時何をしでかすか分からない。そのうち僕自身を認識しないようになるかもしれない。そうなると肉体は単なる容器でしかなく、脳が主人である。
まず悲しいかな冒頭のめんどり(雌鳥)が浮かんでこなかった。チキンでも良いか思ったが、雌鳥は何か他の単語があると思って、和訳はやめた。オハヨーは「グッドモーニング」、なんて調子で6番の死んで皆に食べられるシーンまで進んだ。そして最後「焼き鳥のブルース」を脳は焼きバードとした。何?バードになってしまったか。単なる鳥に哀れ雌鳥は変身してしまった。我が、最高学府出の英語能力検定試験は落第、こんなもんさ。
しかし脳はそのときめまぐるしくめんどりぶるーすが終わるまで、いつになく最高にフルに発揮、あーでもない、こーでもないとエンジン全回転、実に身体に良い時間を体験した。これは健康にとって大変良い若返りであると発見した。しかしいつもいつも許されるとは思わないが、こんな試みをお客さんの前でいつまで続けられるか、見物であるな。
物忘れ、ど忘れ、人の名前を思い出せない、周りでよく聞く脳の堕落である。これを防いでいつも若々しくいるためにはこんな遊びを心がけていれば、まず大丈夫だろう。
年内にもう一回おじゃましそうな感じである。今度は何して楽しもうか、今からワクワクである。
「音楽」字の如く、大いに音を楽しもう。
演芸船の店長以下心優しいスタッフ様、ありがとうございました。
そしていつも我が音楽人生を支えてくれる雑魚音の皆様、これからもよろしくと行きたいものです。
(山木康世)