となりの電話 山木康世 オフィシャルサイト

クリーンエバーグリーンコンサート

2010年08月17日 | カテゴリー: ミュージック・コラム 

僕には大事な同じ歳の音楽仲間が、故郷札幌に二人いる。
一人は「水鏡」でヒットを飛ばしたすずき一平。
もう一人は「君は風」の佐々木幸男。
この二人はかけがえのない音楽人である。
デビュー時期はそれぞれ多少違いがあるが、今だ現役でバリバリでやっている。
他府県ではあり得ない同じ歳三人の存在である。

30歳で東京から札幌に居を移して、何かと札幌に再度溶け込んだ。そのころ誰とも言うことなく始めた三人による共演。
事務所の枠を超えてまずは札幌で大通り公園に樹を植えよう、ということで「クリーンエバーグリーンコンサート」と称して共演して三本の樹を植えた。
当日市役所公園課担当の役人がそれぞれの名前を読み上げて植樹の会を行った。
粋な役人でお見事三人の名前をお間違えになった。
「ササキサチオさん」「スズキカズヒラさん」「ヤマモトヤスヤさん」こんな絵に描いたようなエラーは二度とない。
やがて三本の木は毛利元就、三本の矢の教えの如き結集した。九州まで「クリーンエバーグリーンコンサート」を観光しながら敢行したことは快挙であると同時に、その後30年に渡って何かと結集した。
三人は還暦を迎える。先も土砂降りの中、共演こそなかったが同じステージで歌った。

来る九月十一日土曜に紋別市で地元札幌よりも理解があるのでは、と思えるような音楽理解者M氏の強力な力添えで四回目の「オホーツクフォークまつり」を行う。
嬉しいとともに感謝の念が耐えない。奇しくも記憶も生々しい9・11の日である。
1部丸まるを三人の還暦を祝ってジョイントを行う運びの予定である。そこでは三人の今の心境を語った新曲を披露しようというところまで合致した。
どんなステージになるか、当事者なのにワクワクしている。
たかがフォークソング、フォークギターであるが三人の木の結束力は相当に硬いものがある。今では誰が欠けても成りえない「クリーンエバーグリーンコンサート」。
いつまでもクリーンでグリーンな気の持ちようは本当に必要であるなぁと思う。自身たちの身体や精神が若かったころとは一味違うステージは、毎回新鮮に思えてくる。
フォークソングの魅力は「若さ」にあるのかも知れない。

男が三人

村のはずれの谷を超え超え 
ギターかついで馬にまたがり
目指す港はオホーツク 
毛ガニガリンコ号
「白い冬」だよ恋しや紋別
今だ現役バリバリの男が三人

北の港で別れた女
一夜限りの悲しい出会い
紅いルージュがポケットに
忘れ形見だよ
「君は風」だよ夕日の紋別
背筋ピンと張ってワンツースリー 男が三人

白いカモメよなぜなぜ鳴くの
おまえも一人はぐれ鳥か
今度生まれてくる時にゃ
町の鳥になれ
「水鏡」だよ黄昏紋別
隠居還暦感激の男が三人
山木佐々木鈴木三の木 男が三人

(山木康世)