となりの電話 山木康世 オフィシャルサイト

雪どけ水

2009年10月16日 | カテゴリー: ミュージック・コラム 

この歌で「嶺上開花」A面は終わりです。あっという間の音楽の旅。いかがでしかた。
学生時代に作った、この歌は「ふきのとう」時代のものとは明らかに違う姿の歌でした。イメージはトラディショナルフォークソングだった。ギター2本が奏でるアルペジオの世界だった。それが「白い冬」の成功を見た事務所関係者からの要望でエレキのアレンジ、サビメロ追加となった次第だ。春になれば~のサビメロは東京六本木「森田荘」で書いた。
この歌はアレンジして一人で歌ってみたかった歌の一つである。しかしアレンジはなぜか「ふきのとう」風になっている。
近頃は道路が見事に舗装され、少しでも傷が付いたらすぐに補修、白線なども盛り上がるほど厚く真っ白に丁寧に定規で測って引かれている。少しやりすぎじゃないの、と思うほど車を規制して見事に仕上げている。
その点、昔の道は大変だった。砂利のまかれていない道は雨が降ったり雪解けのシーズンは泥んこ道と変身する。泥濘にはまった車はスリップで出るに出られず空回りをしている。人間はといえば、ズボンの裾を持ち上げて泥を避けて通っている。それでも長靴は泥を跳ね上げて、本人には見えないスネの後ろ側を汚す。白いズボンなどを掃いている人はまるでそこだけヒョウ柄だ。僕はその泥跳ね上げヒョウ柄名人だった。

「雪どけ水」
G A Bm Bm G A Bm Bm
 Bm   A   D  D#dimEm G  F#7
木の葉のすっかり落ちた   長い坂道を
D D#dim Em G   A Bm
君と僕は何も 言わず歩いた
いたずら風は冷たく まるで僕ら
引きちぎるように 笑い過ぎてく
 Em A  D    Bm Em A7 D Dmaj7
春になればほんの少し  素直に僕ら
Em  G  Bm     A     Bm
生きて行けるはずなのに 春はそこまで
G A B B G A B Bm

君の目からこぼれた 雪どけ水は
僕の靴の底から 染み込んできた
生きることの悲しみが 目を出したのは
みんな君のこぼした 雪どけ水のため

春になればほんの少し 素直に僕
生きて行けるはずなのに 春はそこまで
春になればほんの少し 素直に僕ら
生きて行けるはずなのに 春はそこまで