となりの電話 山木康世 オフィシャルサイト

奥羽三県かっ飛ばし後始末記

2010年04月27日 | カテゴリー: ミュージック・コラム 

東北3日間桜ツアーは大成功で終了。
お天気も80点で及第、演奏、ノリも満点合格でした。
帰り道は350キロほど、二度の休憩で無事帰京となりました。

道中、ふと2月初旬の弘前病院院内コンサートでのことを思い出しておりました。
終わってから楽屋で患者さんと、スタッフの方々と記念撮影となったんだよなー。
初めに小太りの男性ありき。その方は上下パジャマ姿でございました。入院ご苦労様でございます。
二人並んでハイチーズ、男性は小声で小生に話しかけささやきました。
「渋谷ジャンクションできましたね。今度はだいぶ便利になるようですね」
「…?」
相づちを打つには打ちましたが、しばらくして彼の頭の中を解剖したくなりました。所在なき手前味噌。
青森は雪深い弘前病院の楽屋と、東京の渋谷ジャンクションの話がどうしても結びつかなかったのです。

あれから2ヶ月半あまりが経ったわけですが、未だに謎の会話をふと思い出したわけです。
脳味噌は自分のものであるが、神の領域である。いろいろなことが解明されつつあるが、将来にわたり「魂」の所在先だけは解明されないだろう。それとも理路整然と解明される日が果たして来るのだろうか。すでに夢をパソコンなどの画面に映すことが可能になったとニュースで見たことがある。はっきりした画像ではないが、ボンヤリと輪郭が黒っぽく映し出されていた。

最終日茶蔵の「風に吹かれてMinstrel」は音楽の神様が乗り移った瞬間でした。今まで、過去に経験のしたことがない歌となりました。自分が歌っているのに、どこかへ連れて行かれそうな気分で心が感涙いたしておりました。もしかしたら先ほどの渋谷ジャンクション様が青空の彼方から降りてこられたのかもしれません。
だから音楽はやめられない。人生をやめられない。
(山木康世)