旭川アーリータイムズ御礼
2023年12月20日 | カテゴリー: 山木康世
やはり旭川の冬はきっちりと冬である。深川辺りからそれは始まり、トンネルを抜けると根の張った雪の12月の街である。
野澤がこの世からいなくなって1年。ここ一年はご無沙汰だったが、この夜、心置きなく一人、法要LIVEを行った。道内および札幌から、はたまた東京、千葉、神戸、大阪などからの賛同者でお店は賑わって、野澤の在りし日を偲んだ。
野澤との付き合いは相当に長い。なにせふきのとうファンクラブ結成のときから僕らは繋がっていた。そしてこの頃は一方的な関係だったのだが、ふきのとうが解散、ソロになって度々旭川に足を運ぶようになった。
実に実直で飾らない穏やかな野澤だった。デジタル時代になってかなり経つが彼がパソコンやスマホに夢中になっている姿を見たことがない。しかし店内の天井のサイン色紙やトイレの壁一面に貼られた過去のLIVE者チケットを見ると、かなりこだわった生き方をしていたのかもしれない。2階の楽屋には相当数のビデオがまめに整理されて保管されている。レコードの数も相当数である。もしかしたら自分の忘れているような歌も発見できるかもしれない。
最後に会って話をした2年前の冬に、彼に残されたものをどうしたら良いか尋ねられた。僕は日本の宝の一つとしてネット上に誰でも見ることのできる博物館的な空間を作ってみたら面白いし有効的に使い方など今後の在り方を提案した。
本編が終わりアンコールで外を見ると、まだシンシンと雪が降っている。なにやら一人の男が店先の前を雪かきしている。そして振り返るとカウンターの向こうがやけに静かだ。さっきより薄暗い感じがして、よく見るとお客さんは誰もいない。カウンターの中のスタッフも誰もいない。石油ストーブのシューシューという音だけが聞こえてくる。いつの間に全部終わったんだろう。もう一度窓の外を見ると、さっきの男もいない。今日の日が終わったようだ。サヨナラ。
大勢の皆さん、お忙しい中野澤氏の一年法要liveにお集まりありがとうございました。
札幌テレビ塔御礼
2023年12月18日 | カテゴリー: 山木康世
朝起きると白い冬札幌で、全国の天気予報、日本海側大荒れの天気ときたもんだから諦めていたが、なんと東の空に光が出始めて街に朝日の影を落としている。これは期待できるぞ。
十年以上も上ったことのないテレビ塔。子供の頃は雪まつりに心踊ったものである。時折横殴りの小雪が降っている。それでも大通りの西の先にある大倉山ジャンプ台が見えるかもしれない。
LIVE前のランチはめったに口にしたことのない味を楽しんで、年行ったら量よりも質かなと思ったりした。
さて半年ぶりのLIVELIBRARY、新宿で使った旗をどう貼るかは結構な問題である。でもこれがあるかないかで会場の雰囲気が変わってくる。なんとかうまく収めた。
外は冬、中は夏。故郷のマチを見ながらのLIVEもおつなものである。
次回は2月の4日間連チャンLIVEで50周年後半を始める。
みなさん如何だったでしょうかね。忙しい中ありがとうございました。またお会いしましょう。
今日は昨日だったらと思わせる天気の中、太平洋の街、苫小牧へ歩を進めます。
ゆっくりじっくり野澤氏に向かって
2023年12月16日 | カテゴリー: 山木康世
千歳に着いて時計を見る。4時である。すでに日は暮れかかり遠くの恵庭岳がボンヤリと白く光っている。
半年ぶりの北海道、思ったほど雪はなく気温もさほど寒くない。
旭川の野澤氏が亡くなって1年、葬儀の日には出席できなかったので今回liveで追悼する。僕がソロになって直に手紙をくれて、ぜひ旭川でやってほしいというものだった。手紙には店内を紹介する写真が2枚あったような覚えがある。
旭川はふきのとう時代、札幌、函館辺りとコンサートを行った街で、思い出は会館の裏手の冬の石狩川でジャケット写真を撮って、打ち上げで「やんしゅう」という居酒屋の前でスタッフ、メンバー全員でハイポーズ。あの頃の思い出がピークであろうか。母が亡くなった時には女将さんが香典をよこしてくれた。なぜかその時の店内の騒々しい音と共にこっそりと皆に気づかれないように渡してくれた女将さんの姿がクッキリと焼き付いている。あのときのコンサートでは野澤氏は一番前の客席にいたという。
そんなこんなを思いながらアーリータイムズを訪れると、あの独特のパーマの長髪で迎えてくれた。今後たびたび訪れる予感の初対面、弟のような感じで人懐こく音楽に関しては人一倍真剣だった。子供のころ、ふきのとうファンクラブで、自分が日本で一番若い会員ではないかと自負していたとその頃の会員証を見せてくれた。中学生だった野澤氏。ガラスケースに収めて大事にしていた、ふきのとう関係のチケットや年賀状に胸が熱くなった。
そんな昔のことはさておいて、新曲を楽しみにしてくれるいつも前向きな姿に僕も共感し一生懸命歌いに行ったものだ。
カウンターの中で今回も煙草をくゆらせて聞いてることだろう。貴君が好きそうな歌を用意して2時間聞いてもらおう。貴君がいないアーリーで歌うことが俄かに信じられない訪問であるよ。
まぁゆっくりじっくり冬の夜長、聞いてくだされ。

在りし日の野澤さんと

笑顔のふたり
北区田端アンダンティーノ御礼
2023年12月14日 | カテゴリー: 山木康世
俺と弁天様
50周年皮切りの10月22日から50日程が経った。今でも鮮明にあの日の朝からタクシーに乗って楽屋に入り、モニターを見ながら出番を待ったことを思い出す。映しだされた画面に続々と各地からのお客様を待ってましたよと心でお迎えしていた。
会場に入った途端に目に飛び込んできたステージいっぱいに広がる俺と弁天様。久しぶりの良いツーショット。いつかものにしようと思っていた画像である。めったに撮れるものではない。心の隅でこのショットは何かと助けてくれると確信した。
弁天様は弁財天様の通称である。元はインドの神様で音楽・知恵・財物の神様。
50周年はつつがなく終えたが、ここでとどまっているわけではない。むしろ前進あるのみとその後も励んできた。そしてこの旗も打ち上げ花火のようにパッと開いて終わるわけではなく。日々の積み重ねで何かが一緒に心に積もり積もってゴールを目指してゆく。この旗も機会があればと伺っていた。そして今日の会場ではためいた次第だ。
今までの旗と違い大きさが違う。使い方次第で弁天様が降りてこられる。琵琶をかき鳴らして一緒してくれる。今日は記念の日でもあった。暗闇の中から目に見えない力で一緒してくれた。北海道へ持って行き一緒する。
本日ご一緒してくださった弁天様たちへ感謝いたします。
12月とは思えない穏やかな天晴な空の一日だった。
CD販売のお知らせ
2023年12月13日 | カテゴリー: 山木倶楽部
ソニーミュージックより10月25日からデビュー50周年記念 復刻版として発売されている
「野良犬HOBOの唄」「泳いで行くにはあまりにも水の流れが速すぎる」の2枚のCDを、北海道旭川のアーリータイムズからライブ会場で販売します。
各1枚2800円(税込)です。
来年は辰年だ!
2023年12月10日 | カテゴリー: 山木康世
来年は辰年だ。
こんな株の格言を見つけました。
来年のことを言ったら鬼が笑うと申しますが、言っちまえこの際。
辰巳天井、午尻下がり
辰年(たつどし)と巳年(みどし)は高値を付けて、午年(うまどし)は下落するという格言です。続きがあって『辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)は笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)はつまずき、寅(とら)千里を走り、卯(うさぎ)は跳ねる。』と続きます。だとさ。
柏Studiowuu御礼
2023年12月09日 | カテゴリー: ミュージック・コラム, 山木康世
ホントお日柄も良く、穏やかな先日までの冬を思わせる寒い日が嘘のような12月8日。
真珠湾攻撃の日、ジョンが撃たれた日。
あの日僕は信濃町のSONYスタジオで録音をしていた。ドアを開けて興奮気味の口調で「ジョンが撃たれた!」と血相を変えてマネジャーが飛び込んできた。僕らをはすぐに作業を中断、ロビーのテレビに釘付けになった。アメリカからの臨時ニュースに唖然として言葉を失くしていた。もうこれでジョンの作るこれからの新しい歌が聞けなくなる。こんなピストルの玉一個で才能が無になってしまった。そんな思いが真っ先に浮かんできた。何だか僕らの音楽の世界の一つが消えてしまったような喪失感に襲われた。
僕が柏WUUのアンコールで「Imagine」を歌った理由だ。
その少し前に歌った「パールハーバー」は日本が今でも汚名を着せられている奇襲攻撃の戦争開始、その時を歌ったものだ。事実は英国に対してすでに南方で宣戦布告をしている。この当時この歌が出来ていたら、今でも歌い継がれているだろうと思いながら歌った。
造り手が息の長い、良い歌を作ろうとしないと結果空気のようなどうでもいい歌が蔓延して変な人間の集まる国に、世界になる。大本は作る本人の崇高なる精神も必要であると近頃痛感する。そんなときに殺し合いの戦争など絶対必要無いのである。死んでしまったらそれでもう終わり、「夜空の花火」なのである。
ご参加いただいた大勢の皆様、お忙しい中誠にありがとうございました。
3週間あまりで今年も終わりですね。
練馬区江古田マーキー御礼
2023年12月04日 | カテゴリー: 山木康世
オーイ冬の空よ 俺は元気だよ
船の舵取りも 大分慣れてきたよ
道に強い日差し 雲の落とした黒い影
一口水を含んで しばし木陰で休んでた
やがて現れた出でたる 一陣の風神が
雷神と連れだって 俺を拳で押した
重い腰を上げたよ 額の汗を拭いたよ
未だ道の途上也 試練修練鍛錬
悟ってなんかない 欲望も枯れてない
間違いも犯すだろう 道も迷うだろう
けれど俺はいつも 胸を張って堂々と
生きてきた出鱈目に 道の真ん中辺りを
いつの間にか人並みに 一丁前に歳を取り
ある日気づいたら 髪は髭は白く
ずいぶん歩いて来たもんだ こんなに遠くまで来てしまった
さてさて次の電車 どこにどこまで来てる
風もなく穏やかな12月初めての土曜日。そして今年最後のマーキー〆の日。今年一年もつつがなく恒例のマーキーを、気心知れたご理解のあるお客様とともに過ごすことが出来たことに無上の喜びを感じておりました。
肩の力を抜いて、まるで普段の生活の延長線上のように如何に歌い振る舞うことが出来るか。何分自己流の音楽人生。半世紀も前に作った自前の歌を今現在、如何様に歌うかはとても面白いモノがあると発見。
僕とお客様の積み重ねあげた時間という魔法の塩の粉が歌に降りかかると、言葉では言えない妙味を醸しだし、双方の脳味噌に電流が発生。現実以上の120点の今の歌に仕上げてくれるのだ。歌の想い出は、ただ単に時間経過だけの想い出ではなくて、今まさに作り上げようとしている総天然色の想い出なのだ。
過去形ではない現在進行形の想い出とでも言っておこう。
まだまだこの想い出作りの娯楽は続きそうである。
お忙しい中、遠くからお近くからおいでくださりありがとうございました。次回はサクラのニュースが聞こえてきそうな3月の江古田でお会いしましょう。

次回は2024年3月
彼の言う冬の蚊の話
2023年12月02日 | カテゴリー: 山木康世
今年の猛暑は蚊を戸惑わせたという。
親の蚊は希望と光に満ちて貯水槽に子供を託した。
しかし子供のボウフラはお湯のような水にアップアップ。
そしてなんとか生き延びた蚊の子供は、やっと冬らしくなった星空の下一軒の事務所の窓辺に。
窓の隙間からコンバンワ。
なんか痒いと小指をポリポリ。耳元でブーンという蚊の囁き。
何だ何だこんな12月に冬の蚊かい。上から読んでも下から読んでも彼(か)の言(ゆ)ふ冬の蚊の話。
私の魂が少しの間お休みになる
一日の疲れた魂が明日に備えて
ジッと横たえてまんじりともせず
また何時間かしたらムクッと起き出す
そして今日は練馬マーキーへ、明けて来週金曜は柏WUUを訪う。みなさんお待ちしてるぜ。
地球沸騰化と言われても北の嵐のニュースは届く。
冬の蚊は何と言って死んでいった蚊。
さいたま市/琴勝流大正琴本部 2Fホール御礼
2023年11月27日 | カテゴリー: 山木康世
6回目の大正琴本部におけるLiveLibrary。12月並みの寒気が列島にやってきて、本格的な冬の訪れを感じさせる11月最後の日曜。渋滞覚悟で2時間の予想ででかけた。しかし意に反して渋滞もなく12時半には会場前に着いていた。駐車場も最後の一台で満車となった。こういうとき、今日はラッキーと思う。
先週関西にでかけた際、ギター類の小物を入れたバックを車から持ち出して出かけた。ハモニカ、カポ、マイクなどを収納してある。このバッグの取り忘れに頭がいった。大丈夫だったのだが、すっかり事務所に忘れて来たと思い込んでいた。実は念を入れてバックから取り除いて今日に備えていたのであるがそれを忘れていた。
もう一つギターマイクのホルダーが見当たらない。譜面台はあるがマイクホルダーがない。これも関西に出かけるときに取り出して車の何処かに放置して出かけた思い込みでいた。実はマイクスタンドと譜面台と一緒に収納していたのであるがど忘れしていた。わざわざ街の駐車場に戻って探したりした。何のことはないギターケース用の袋の奥でほくそ笑んでいたのであるが、このことに気が付かなかった大歩危野郎と毒づいた。
今日は早めに書こうと思っていたが、気がつけば3時を回っている。睡眠障害から抜け出せていないので未だ眠くはないが、明日の昼眠くなることは必至である。
お忙しい中みなさんありがとうございました。配信の方もハリノムシロから開放されてやれやれでございます。
12月師走が音を立ててやって来たと先生はネクタイを風になびかせ坊さんは袈裟をまくりあげてすっ飛んで行きました。